エフゲニ―・キーシン ピアノリサイタル
2014年4月26日(土)15:00開演 福岡シンフォニーホール
シューベルト:ピアノ・ソナタ第17番 Op.53 D.850
スクリャービン:ピアノ・ソナタ第2番「幻想ソナタ」Op.19
スクリャービン:「12の練習曲」Op.8より 第2番 嬰へ短調
第4番 ロ長調
第5番 ホ長調
第8番 変イ長調
第9番 嬰ト短調
第11番 変ロ短調
第12番 嬰二短調「悲愴」
(アンコール)
J.S.バッハ(ケンプ編曲) : シチリアーノ(フルートソナタ変ホ長調)
スクリャービン:「8つの練習曲」第5番 Op.42-5
リスト:ハンガリアン狂詩曲第15番「ラコッツィ行進曲」
念願だったキーシンさんのピアノリサイタルに行ってきました。キーシンさんのコンサートには大学生の頃から東京で何度か行ったことがありますが、3年前アクロス福岡であったコンサートに行きそびれてしまい今度は絶対行きたいな~と思っていたので、チケットを買ってからはとても楽しみにしていました。毎回、キーシンさんの演奏には心が満たされるような感動に包まれてしまい、数日の間、余韻に浸ってしまいます。今日のプログラムは、3月に行われたニューヨークのカーネギー・ホールでのソロ・リサイタルの曲目と同じものでした。世界的に有名なカーネギーホールで常連になっているキーシンさんは、いつの年も満席の様です。そこで大成功をした直後の日本公演でしたので、音の豊かさや演奏の深みが素晴らしかったです。
シューベルトのソナタは、構成力のいる精神性の高い曲なのに、自然に展開して凄い集中力でこうあるべきと納得させられてしまいました。伝統と作曲家の意図にちゃんと寄り添っているのです。いつも思うのは、よく知っている曲でもキーシンさんの演奏を聴くと、え?この曲にこんなメロディーがあったの?とかこんな隠された音があったんだ!と驚かされます。今回も色々な発見がありました。並はずれた演奏技術と音楽に対する冷静な深い情熱。スクリャービンのソナタは、色彩豊かに幻想的な世界に引き込まれました。エチュードもそれぞれ技巧も素晴らしく、情感溢れる演奏でした。プログラムをたっぷり聴かせていただいたにも関わらず、キーシンさんはアンコールを3曲も大曲を演奏して、会場が更に熱狂して拍手の嵐になりました。アンコールをオマケではなく大曲を本気で、しかもキーシンさんが演奏すれば、会場もほぼ全員がスタンディング・オベーション。歓声と拍手喝采が長~く続き、キーシンさんはカーテンコールで行ったり来たり。私もしばらく感動の余韻が続きそうです。
もう既に巨匠と呼ばれているキーシンさん、今後の演奏も楽しみにしています。
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